バドミントンぷれいやーず ...to all the badminton players........ / 動画解説

1.タウフィック・ヒダヤット_スピンネット・・・YOJ2007

 





 

 悪童タウフィックのスピンネットです。

 そんなに大きなフォロースルーはとらず、ラケットの移動方向は真横に滑らせながら少し手前に戻し、シャトルの進行方向へはほとんど面を動かしていないことがわかります。打ちに行かず、擦る、、、というよりは押し込むようなスイングでしょうか。シャトルは勢いを失いながらよろよろと弧を描きます。

 結果、シャトルは進行方向へコルクを向けることなくネットの頂点に達して失速。勢いを失ったシャトルは弧を描くことを止めて、大きく揺れながら落ちていきます。

 相手のリーチョンウェイは打つタイミングを完全に失い、落ちつきかけたところを打ちにいくもコルクが下を向いたときにはもうコート付近。そして回転はまだ止まっていないのでコントロールが付かず真上にしかヘアピンを打つことができませんでした。

 タウフィックは決して高い打点では打てませんでした。何故リーは叩けなかったかといえば、その前のリーのサービスレシーブが甘く入ったからです。
  甘くといても、それはラウフィックにとっては甘かったというだけですが、ヘアピンで一番厳しいのはネットインなら、一番甘いのはネットからの距離が遠いヘアピンではなく、ネットに絡まず、さらにネットに近い位置のヘアピンが最も甘くなる事があります。そのようなシャトルは、進行方向への力はほとんど不要で、真上にスピンをかければシャトルは簡単にネットを越え、さらに厳しいヘアピンが相手を襲います。ヘアピンの入り方は、とにかく一発目で優位な状態を作らなければなりません。 このサービスレシーブではリーは後方移動も考えなければならない為、ネット前で張り付くことができずタウフィックに簡単にスピンネットを打たせてしまう事になりました。

 万全な体勢でタウフィックにヘアピンを入られてしまっては甘いシャトルは返ってきません。もし返せたとしてもプッシュされる、タウフィックはそういうヘアピンをきっちりと打っています。

 それにしたってこのスピン、芸術的です。